このページでは、ラミレジィが罹る病気の一つ、「水カビ病」の症状と治療方法を掲載します。
水カビ病は真菌類のミズカビ目、ミズカビ科、ミズカビ属(Saprolegnia)の数種の糸状菌が寄生して起きる病気とされています。ラミレジィが外傷を負ったりした場合、またはカラムナリス症や穴あき病(エロモナス症)に感染して患部が溶解した後に感染部位に併発することも多くあります。
ちなみに水カビ病の症状を撮影したいのですが、このサイトを作っている著者の経営するオオツカ熱帯魚では、自ら繁殖されたラミレジィの水カビ病を20年以上も目にしていません。ラミレジィへの発病は個体の衰弱などにより、免疫力の低下が起きない限りは稀な病気であることもお伝えしておきます。
水カビ病の病状について
水カビ病は別名ワタカブリ病(綿かぶり病)とも呼ばれます。これは患部が白い綿を付けたように見える事からこの名称で呼ばれることになりました。感染初期はそれほど目立った形にはならない為、末期症状から名づけられていると考えて良さそうです。
水カビ病の病原体はどのような水槽にも存在するものです。食べ残った餌が腐った場合や産卵した卵を人工孵化させる場合に無精卵が白いカビに包まれるようになりますが、このカビが免疫力の低下したラミレジィの体表にも表れるものと考えればよいでしょう。
症状は傷口などに水カビ菌が繁殖し、菌糸が伸びるに従い肉眼でも確認できるようになり、水カビのコロニーが拡大すると白いカビがハッキリと見られるようになります。この病気が単体で発生するケースより、もしろカラムナリス症などに感染、鰭や体が溶解したところに2次症状として現れるケースが大半と言えます。
水カビ病の治療方法
水カビ病の治療は塩分に対しても弱い性質がある為に塩水浴が効果的です。しかし、筆者の経験上ではラミレジィはあまり塩分に強い熱帯魚ではないので塩水浴はお勧めしません。
この病気の治療には、基本的に細菌感染症に効果のある魚病薬を使います。カラムナリス症を併発している可能性が高いため、双方に効果がある魚病薬の利用が望ましいと言えます。色素系のメチレンブルーやマラカイトグリーン、具体的な治療薬としては、ニューグリーンF、グリーンFゴールド、アグテンなど魚病薬が一般的です。
投薬量はろ過の効いた水槽であれば、ラミレジィは薬剤耐性はそれほど弱くないので、原則として既定量の利用で治療します。魚病薬は弱すぎても効果はありませんし、強すぎれば魚を薬害で斃死させます。病気を放置すれば症状の悪化で斃死する危険性が高いので、薬害で死なないギリギリの投薬で治療するのが理想です。
最後に一般的な方法ではありませんが、水槽へ殺菌灯の設置も水カビ病の予防には有効な手段の一つです。完全に感染を防ぎ、治療できるほどの効果はありませんが、確実に発生するリスクを減らすことは可能です。高価な装置でランプの寿命の問題もあり、扱いにくい部分もありますが、病気の予防には殺菌灯は非常に有効な手段と言えます。
ラミレジィの病気と治療方法 – 魚病の種類一覧
1.熱帯魚の病気で最も多い「白点病」の症状と治療に必要な薬と対処方法
2.感染力が強く致死性の高い「カラムナリス症」の症状と治療に必要な薬と対処方法
3.体にカビが生えてしまう「水カビ病」の症状と治療に必要な薬と対処方法
4.外見に大きな異常が発生する「エロモナス症」の症状と治療に必要な薬と対処方法
5.ツリガネムシの寄生により発病する「エピスチリス症」の症状と治療に必要な薬と対処方法
6.外見では判別が難しい「エラ病」の症状と治療に必要な薬と対処方法(準備中)
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